特定の保育士だけに後追いする子ども…その理由と上手な対応法とは?

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「どうしてこの子は、私の後ばかり追ってくるんだろう…?」

特定の保育士にだけベッタリな子どもへの対応、保育現場ではよくある悩みのひとつですよね。

今回の記事では、子どもが“特定の先生”を好んで後追いする理由や、その裏にある気持ちをやさしく解説します。

また、毎日の保育の中で実践しやすい声かけやスキンシップの工夫、周囲の先生や保護者との関わり方まで、具体的な対応策をたっぷりご紹介。

「甘やかしすぎてないかな?」「他の子とのバランスは大丈夫?」といった不安を抱える保育士さんにも、きっと役立つ内容です。

子どもの“好き”という気持ちに寄り添いながら、自分自身もラクに保育ができるヒントを見つけてみませんか?

目次

子どもが特定の保育士に後追いするのはなぜ?

「どうしてあの子は、あの先生だけにベッタリなんだろう?」
そんな光景、保育の現場ではよくありますよね。
ここでは、子どもが特定の保育士に後追いする理由を、やさしく紐解いてみましょう。

“安心したい”という気持ちの表れ

子どもが後追いするのは、「この人と一緒にいると安心する」という気持ちの現れです。
保育士の声のトーンや表情、抱っこの仕方、話し方など、細かな関わりの積み重ねが、「安心できる人だ」と感じさせるんですね。

そして一度「この人がいい」と感じると、子どもはその人を求めて後を追いかけるようになります。
たとえ言葉が話せなくても、その子なりに精一杯、好意や不安を表現しているわけです。

好きな人に甘えたくなるのは自然なこと

たとえば、ちょっと疲れたときに「今日なんかあった?」と声をかけてくれる人がいると、ホッとしますよね。
子どもにとっても、そんな風に「気持ちを受け止めてくれる存在」が、特定の保育士であることがあります。

だからといって、「ほかの保育士に慣れないのは問題だ」とすぐに考える必要はありません。
好きな人に甘えたくなるのは、誰にとってもごく自然なことです。

以下は、子どもが後追いしやすくなる場面の一例です。

シチュエーション 子どもの気持ち
いつも笑顔で関わってくれる先生 「この先生が大好き」「一緒にいると落ち着く」
泣いたときに優しく抱っこしてくれた 「この人ならわかってくれる」
一緒に遊ぶ時間が多かった 「もっと遊びたい!」「そばにいたい」

子どもが特定の先生を追いかけるのは、「信頼」の証
それは決して“問題行動”ではなく、むしろ健全な成長の一部なのです。

次章では、そんな後追い行動にどう対応していくと良いのか、現場でできる工夫を一緒に見ていきましょう。

後追いが起きたときの対応のヒント

特定の先生に後追いしてくる子どもへの対応、なかなか難しいですよね。
ここでは、子どもも保育士も無理なく過ごせるための、ちょっとした工夫や声かけのコツをご紹介します。

まずは声かけを習慣に

子どもは「先生がどこに行くのかわからない」「突然いなくなった」と感じると、びっくりして泣いてしまうことがあります。
だからこそ、“離れるときの声かけ”はとても大切です。

たとえばこんな風に伝えてみてください。

タイミング 声かけの例
トイレに行く前 「先生、おトイレに行ってくるね。すぐ戻ってくるよ」
他の子を対応するとき 「◯◯ちゃんのおむつ替えてくるね。待っててね」
お昼寝の時間 「おやすみなさい。また起きたら一緒に遊ぼうね」

まだ言葉がわからない年齢でも、繰り返しの声かけで安心感は育ちます
一人の人として丁寧に接することで、子どもはちゃんと信頼してくれるようになりますよ。

泣いても抱っこより『ことば』でつながる

「泣いている=すぐ抱っこ」ではなく、“ことばで安心させる”というアプローチも試してみましょう。
戻ってきたときには「待っててくれてありがとう」と伝えるのも大切です。

これは、「泣いたからごめんね」ではなく、「待ってくれてありがとう」と伝えることで、子どもの気持ちを前向きにしてあげることにもつながります。

少しずついろんな先生と関われるように

特定の先生への後追いが続いていると、「◯◯先生じゃなきゃダメ」となりやすいですが、少しずつ他の先生にも慣れていくと、お互いにとって過ごしやすくなります。

たとえば、子どもがご機嫌なときに他の先生と遊ぶ時間をつくってみたり、好きなおもちゃで誘ってもらうのも良い方法です。

状況 工夫の例
他の先生と遊ぶ時間をつくる 「◯◯先生、これで一緒に遊んでくれるよ!」
好きな歌でつなぐ 「◯◯ちゃんの好きな歌、先生も知ってるって!」
おもちゃで関係づくり 「このおもちゃ、△△先生と一緒に使ってみようか」

“この先生も楽しい”と思える経験が増えると、自然と後追いも和らいでいきます

後追い中の子どもとの関わり方で大切なこと

子どもが後追いをするとき、ただ対応のテクニックを使うだけではなかなかうまくいきません。
この章では、心の距離を縮めながら安心感を育てるために大切にしたい関わり方のポイントをご紹介します。

“ありがとう”の声かけで気持ちを前向きに

トイレなどから戻ってきたとき、つい「ごめんね」と言って抱きしめてしまうことってありますよね。
でもその場面、「待っててくれてありがとう」と伝えてみてください。

この声かけに変えるだけで、「悪いことをして離れたわけじゃない」と自分自身の気持ちも軽くなりますし、子どもには“ありがとう”というポジティブな関係性を築くことができます。

子どもにとっても、「泣いたら謝ってもらえる」ではなく「待てたら褒められる」という経験になるので、徐々に気持ちの切り替えもスムーズになります。

子どもが安心できる空気をつくる

後追いをされると、ついこちらも焦ってしまったり、イライラしてしまうこともありますよね。
でも、大人の焦りや不安は子どもに伝わりやすいものです。

そんなときは、まず「泣いてる=困ったこと」ではなく「気持ちを表現しているんだ」と受け止めることから始めてみましょう。

対応のしかた 子どもの反応
「泣いてもいいよ。でも先生すぐ戻るからね」 徐々に泣き止むまでの時間が短くなる
「さっき頑張ってたね」「待てたね」 自信を持つようになり、後追いが減ってくる
焦らず、ゆっくり話しかける 子どもの表情が落ち着きやすくなる

「大丈夫だよ」の空気をつくることが、子どもにとって何よりの安心材料です。

『この人だけ』にならないように意識する

保育士として、特定の子と深い信頼関係を築けるのは嬉しいことですが、だからこそ気をつけたいのが「その子にだけ特別な対応をしてしまう」ことです。

特に同じクラスの他の先生が気を遣ってしまうような関わり方は、チームとしての保育を難しくしてしまいます。

たとえば、こんな工夫が役立ちます。

配慮のポイント 具体的な行動
他の先生とも関われるようにする 「今日は△△先生と一緒に遊んでみようか?」
保育士同士で子どもの様子を共有 「このおもちゃが好きみたい」と共有しておく
周囲への配慮ある言葉選び 「◯◯ちゃん、いろんな先生とも楽しく過ごしてますよ」と保護者に伝える

“特定の人だけが好き”という状態は、少しずつ変えていけるものです。
そのためにも、周囲への配慮とバランスを意識した関わりが大切ですね。

子どもの『好き』に寄り添う保育とは?

「この先生じゃないとダメなんです」
そう思ってくれるのは嬉しい反面、毎日続くと少ししんどさを感じることもありますよね。
この章では、子どもの“好き”という気持ちに寄り添いながらも、保育士自身も無理なく関われるコツをお伝えします。

『好き』の気持ちを上手に受け取る

子どもが保育士を「好き」と思ってくれるのは、本当にありがたいこと。
でも、「この子は私じゃないと泣くから…」と全部一人で抱え込む必要はありません。

子どもの気持ちは、関わってくれた人すべてに少しずつ広げていけるものです。
だからこそ、まずは「この子は私に安心感を感じてくれてるんだな」と前向きに受け取りましょう。

“好き”という感情を否定せず、でも依存に変わらないように、そっと見守るスタンスが大切です。

保育士同士で共有することで心に余裕が生まれる

一人で抱え込みがちな後追いの対応ですが、チームで保育する上で、「共有」はとても大事です。

たとえば、こんな共有が役立ちます。

共有する内容 効果・ねらい
子どもが落ち着きやすい声かけのパターン 他の先生も同じ対応ができ、安心感が続く
好きなおもちゃや遊び 複数の先生で関わりやすくなる
日々のちょっとした変化 不安定な時期をチームで支えやすくなる

「私だけが知っている」から「みんなで知っている」へ
そう意識を切り替えるだけでも、心に余裕が生まれますよ。

保護者への伝え方にもひと工夫を

保護者とのやりとりの中でも、「うちの子、先生にベッタリで…」という話題が出ることがありますよね。
そんなときは、伝え方にちょっとした工夫をするだけで、印象が大きく変わります。

避けたい表現 おすすめの表現
「◯◯ちゃん、ずっと私の後追いしてました〜」 「今日は私のそばにいると安心した様子でした」
「やっぱり私じゃないとダメみたいで…」 「最近は他の先生とも少しずつ遊べてますよ」
「◯◯先生には全然懐かないですね」 「少しずつ慣れていけるように工夫しています」

保護者が安心できる伝え方を心がけることで、「家では甘えられてないのかな?」という不安も防ぐことができます。

後追いはずっと続くわけではない

「この子、いつまで後追いするんだろう…」
そんな風に感じる日があるかもしれません。
でも安心してください。子どもの成長はゆっくりでも、確実に進んでいきます。

成長とともに自然に変わっていく

後追いは、子どもが「安心できる人」との距離をどう感じるかという、心の発達と深く関わっています。

少しずつ「先生は戻ってくる」と分かってきたり、自分の気持ちを言葉で伝えられるようになったりすることで、後追いの頻度や強さは自然と変わっていきます。

焦らず、子どもが今必要としている関わりを大切にしていきましょう。

変化のサイン 子どもの様子
声かけで待てる時間が少しずつ伸びてきた 泣く回数や時間が減ってきた
他の保育士とも遊ぶ姿が見られるようになった 一人遊びの時間が増えてきた
後追いしてもすぐ気持ちが切り替えられる 気になるおもちゃで遊び出すようになった

『前より泣かなくなった』を一緒に喜ぼう

ちょっとした成長に気づいたときは、ぜひ周囲の先生や保護者と一緒に喜び合ってください

「今日は少し泣いただけで落ち着いたね」
「前より待てるようになってきたよ」
そんな一言をかけることで、子どもへのポジティブなまなざしが増え、保育士自身の心にも余裕が生まれます。

また、保護者からのこんな言葉があったら、ぜひ共有してみてください。

保護者の声 対応例
「家でもちょっと落ち着いてきたかも」 「園でも少しずつ変化が出てきてますよ」
「前はずっと泣いてたのにね」 「頑張って成長してますね」
「先生のおかげです」 「いえいえ、一緒に支えてくださってるからですよ」

後追いが落ち着いたときの喜びは、保育士と保護者、そして子ども自身の努力の結果です。
焦らず、ゆったりと、子どもに寄り添っていきましょう。

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